演奏の本質的なところ

つかめたと思ったらまたわからなくなって、わからないなりに色々試行錯誤してるとまたわかってきて、の繰り返し。

上手くいくときといかない時の違いは一体なんなんでしょうか。でもそもそも自分が上手く行っていると思っている時、他の人は上手くいってないと思っていることもありうるわけで。

2月に共演したJoeさんに、The Inner Game of Musicという本を読んでいると言ったらPaul Bleyのインタビュー集があってそれがとても良いと教えてくれて、その引用を送ってくれた。それについてのやり取りをしている時にさらにHal Galperというピアニストの文章も送ってくれて、そのソースを見つけたのでみなさんにもシェアしたいと思います。別にふだん演奏前にめちゃ緊張するとかそういうことはないですが。

僕は演奏中は音楽の中にいつつ、できるだけ客観的に外側から自分の演奏を聴きたいという意識で演奏してきました。でもHal Galperさんは、このページの中で人間の脳はそんなことはできませんとはっきり書いています。なんかこんなにはっきり言い切られるとすっきりしますね笑 でも「はい、そうですか」とそのまま納得するのはちょっと悔しいので、彼の文章を読んでから自分で実験してみています。

その経過についてはまた後日書きたいと思います。

Words of wisdom

http://www.chuckbraman.com/paul-motian-interview-discography.htmlから抜粋

Chuck: When I listen to you play free, I can tell you obviously find clear ideas to play and I can follow your thinking. But some other drummer playing in the same situation might say, “This music sounds good, but what in the world could I ever play to it?”

Paul: Well, thank god I don’t never think about that. I don’t think like that. I just let it happen. I just go by what I hear and I just let it happen.

Chuck: So you’re not self-conscious…

Paul: No. I’m acting on what I’m hearing and what I’m doing.

Chuck: You have a clear idea of what you should do and shouldn’t do.

Paul: It’s not like what I should do or shouldn’t do, it’s what I do. And I have enough faith and confidence in myself and what I do that it’s right. If I start thinking about what I should do and I shouldn’t do, it would suck. It’s like the story Jimmy Garrison told me about the centipede. He’s walking along on the branch groovin’, and then some fuckin’ monkey looks at him and says “Hey, man, look at how you got all them legs, man, how do you know which leg to put down first?” And as soon as he says that, the motherfucker trips and falls off the tree. It’s the same thing. You can’t stop to think about that shit.

Once when I was playing with Charlie Haden, I told him that I couldn’t really get with the music, I can’t find what it is that I should do, whether I should play time or I play free. And Charlie said to me, “well, you’re the one that can do it and whatever you do, you be in control, you do what you think is right, I’m going to take it from what you’re doing.” In other words, instead of me thinking about what I should do or what I shouldn’t do, I should just do, and everything will be OK. And that’s what happened. When I was thinking about what I should do and what I shouldn’t do, shit wasn’t happening. Wasn’t happening, man. After I talked to Charlie and he said to me whatever I do is OK., and I should be in control, then I felt free to do what I wanted to do. And as soon as I did that, everything fell into place. Shit was swinging like a motherfucker.

Chuck: Are you switching over from your conscious mind to your subconscious mind?

Paul: Yeah, in a way. In others words, when something starts happening and I start playing time, I’m not debating in my head, “well, I should play time now or I shouldn’t play time.” I just go ahead and do what I feel I should do. And when I do that, it happens, everything falls into place. If I feel like playing a rumba beat on a fuckin’ tom-tom, that’s what I do without thinking about it, it’s OK!

Chuck: So it sounds like the key is to get rid of any sort of deliberation.

Paul: Yeah. Definitely. Definitely, man. Oh yeah. Sure. As soon as you start deliberating and thinking it’s that story I just told you, man. That’s the key. Definitely.

ピュア

今日はコーラスの方々と一緒に演奏でした。舞台袖で聴きながら、中学の時に合唱コンクールでピアノ伴奏したの思い出していました。合唱がさかんな中学校だったけど、そういう学校でよかったなぁ。聴いていてコーラスって本当にいいなぁと思いました。みなさん温かい方ばかりでとても良い経験でした。

好きなことを仕事にした時にそのことに対してピュアであり続けることは一番大切だけど、一番難しいことのような気がします。なんか悔しいけど、でもその葛藤がより良い音楽を生むのかなぁ。そう思うことにします。

同じ時を生きる

思ったことをいくつか。

ライオンとキリンがおなじアフリカの大地に生きているみたいな感覚でアンサンブルできたら楽しそうだし、もっと離れて、大きな木と小さなプランクトンが同じ地球に存在し、生きているくらいの感じでアンサンブルできたらいいなぁ。ライブ会場に集まって一緒に演奏するだけがアンサンブルじゃない。
そう考えると常にだれかと、なにかとアンサンブルしてるんだなぁ。人は一人では生きられない。
———

最近は、人から言われる事や出来事の中でも、自分の心に違和感を残すような事柄を特に丁寧に考えるようにしている。その中になにかがありそう。書き起こすとなおさら考えが深まる。

考えてる事や感じてる事が同じでも、表現する言葉が違ったり表情や伝えるタイミングが違うとそれに気づかない事が多いような気がする。表面的に違っても本質が同じだということはありうる。
でもその逆も然り。

いまさらリーコニッツ

リーコニッツのインタビュー集、Conversations on the Improviser’s Artいまさらながら読んでます。
いまさらというか英語版が出版されたのが2007年で、日本語版が出たのが2015年のようなのでその時点ですでにだいぶ時間が経ってたようですね。翻訳作るのってやっぱり大変なんだなぁ。メルルイスの本も日本語版出たらいいのに。

読んでみてまだ数ページ、、ちょうどこういうインプットが必要だった。
助けられた!

下のリンクはリーコニッツが最初の部分で言及している記事。

Murdering silence with bad music

良い音楽、悪い音楽というのはその人次第だけど、間違いなく使い捨ての音楽や使い捨てにされる音楽家が増えているし、これだけ街中に音楽が溢れてると特別感はなくなりますよね。まぁ間口が広くなるのはいいことだけど、そういうことでもないしなぁ。
完全に両極端に別れつつある感じも受けます。

ジャズクラブも、これから生の演奏があるのに、それよりも大音量なんじゃないかってくらいでレコードやCDかけて、いい音なのはいいんだけど、、
その日の出演者と違う感じのを気を使ってかけてくれるところはまだいいけど、かぶせてくるところもありますからね。しかも休憩中に。セットの間の休憩が30分あるなら演奏後5分と次の演奏の前の5分とかでいいからBGM消してみてほしい。それかせめて音量をもっと絞ってほしい。休憩中も爆音で音楽流れてきてお客さんの耳はだいぶしんどいと思うし、演奏する側としても流れてる音楽によってはすごく気が散って自分の演奏どころじゃなくなっちゃうときがある。

さらに最近は駅の広告とか電車の広告とか、大きな街に出たら、外を歩いてても映像が溢れてて本当にしんどく感じます。こんな環境だったら出てくる文化もそれに影響されたものになりますよね。

街に出るときは耳栓してアイマスクして歩くしかないかな笑
でもイヤホンしてスマホ見てたらある意味そんな状態か。。なんだかね。